前書き公開【4】あなたの会社が最速で変わる7つの戦略

前書き公開【4】あなたの会社が最速で変わる7つの戦略
2017-01-08

あなたの会社は、進化を遂げたいだろうか?
もしあなたの答えがイエスなら──はじめの一歩を提供するのが、本書である。

どんなに理想的な環境が整っているといわれても、未知の領域に踏み出す不安を乗り越えるには、先人の経験が勇気を与えてくれる。
そこで、あなたに先立つこと数年前から、未来に似合う会社への変身を遂げるために、道なき道を果敢に歩んできたチャレンジャーたちをご紹介したい。

●ビジネス進化への突破口は、こうして切り開かれた

本書でこれからご紹介する7社は、どの会社もテレビや雑誌で特集されてもおかしくないほど、刺激的な事業を営んでいる。
どの会社も、人口減少社会が抱える問題に同じように直面してきたが、彼らは突破口を見つけて、未来に向けて大きく進化し始めた。

いったい彼らは、どのような思考と実践で未来に向けた変革を実現させたのか?

私は、過去数年間にわたって、7社の実践のプロセスを間近に見てきた。そして彼らから事業の進捗を聞くたびに、大きな学びを得てきた。彼らと出会った日は、あたかも最高の冒険映画を見たかのように興奮が収まらないのだ。この興奮と学びを、私だけで独占しているのはあまりにももったいない。そこで今回、この7人の挑戦者が経験から培った知恵を、あなたと共有するために本書を著した。

本書を書き上げるためには、私一人の力だけでは十分ではなかった。そもそも私は、彼らの事業を客観的に説明するには、あまりにも親しすぎる。同じ未来ビジョンやノウハウを共有しているために、これから未来への突破口を見いだそうとしている読者にとっては、ちょっと内容が飛躍しすぎてしまう。あらためて新鮮な目で、彼らの事業を観察・分析したうえで、あなたに説明できる視点が必要だ。

そのため本書は、ベテランのビジネスライターである加藤鉱氏と共同で執筆にあたることにした。加藤氏は長年、経済誌の執筆を手がけてきたベテランライターである。ありとあらゆる会社の経営者と出会い、本物・贋物を見分ける卓越した見識眼を有している。その加藤氏が、すべての会社に訪問し、総計18時間近くにもおよぶ深い対話から、読者への学びになる点を抽出・整理した。

私たちが、あなたに提供したいのは、「ビジネスをうまくやるための知識」だけではない。
知識以上に大切なものがある。それは挑戦する勇気だ。彼らは、どんなに辛いときでも先が見えないときでも、いつでも声をあげて笑っている。彼らは、生き残ろうとするのではなく、生きることをこのうえなく楽しんでいるのだ。そんな彼らに、インタビューを通じて出会っていただく前に、自社の新しい未来を切り拓いた7社の概要をざっとお伝えしておこう。

◆会宝産業株式会社

地方の自動車解体会社から、静脈産業を創出した世界的企業へと進化。中古車エンジンに関する国際規格PAS777を正式発行し、各国政府機関も注目。リサイクルの世界標準モデル企業に生まれ変わった。

◆株式会社TICK-TOCK

数店舗経営の美容室が、小顔になるカット技術の特許を取得することで、550社に技術を提供するスクールへと進化。技術だけではなく、独自商品と組み合わせることで、トータルで美容業界を変革していくビジネスモデルが強力。

◆ダイタンホールディングス株式会社

ダイタンホールディングスは、「名代富士そば」を経営する会社。日本そばは、海外ではウケないという常識を覆し、フィリピン、台湾で成功。成熟市場を守るマインドから、成長市場に挑戦するマインドに社員がシフト。日本市場でも積極的な出店で攻勢をかけ始めた。

◆株式会社源麹研究所

焼酎の原料である種麹を提供する鹿児島のメーカーが、麹の健康分野での研究を重ね、画期的な畜産飼料や自然食品を開発。日本伝統の食技術により、食糧問題や高齢化社会のソリューションを生み出す世界的企業・研究機関へと進化し始めた。

◆NTTアドバンステクノロジ株式会社

優秀な技術者同士の連携が自然に育まれるように、社内読書会を実践。大企業のなかに埋もれている技術シーズを、未来に向けてビジネスモデル化するまでの一連の作業を効率的に進める、組織学習の場を創り出した。

◆株式会社VRSサービス

設計と測量という二つの専門分野に習熟した結果、ディベロッパー向けの販促ツール分野で、シェア四〇%を得るトップ企業へと進化。急速に複雑化・専門化する市場で、ユーザー視点で徹底するワンストップサービスは、業界全体のクオリティを底上げしている。

◆ビジネス・ライフデザイン株式会社

障がい者の、技能習得方法を進化させた結果、最先端のネット・マーケティング、コピーライティング等を実践できるように。いままで単純作業しか任せられないと考えられていた障がい者事業の常識を覆した。

以上の7社が短期間で変革に成功し、また未来に向かって進化し続けると私が思う理由を挙げるなら、次の二つとなる。

【1】世界を見据えながら事業を展開していること
【2】未来へ向かう輝かしいストーリーを信じていること

まず「世界を見据える」という点だが、日本の人口減が不可避であることを考えると、会社の規模の大小を問わず、海外への展開は必須だ。自分は海外に出るつもりがないという人も、海外から大勢、観光客が日本に来るのだから、ビジネスは自然に海外に押し出されていく。だから、いまから前もって、心の準備だけでも始めるべきだ。

私は日本の人口動態を研究した結果、もはや日本に引きこもっている余裕とゆとりはないと、2009年にクライアントたちに宣言。「一緒に世界に挑戦しよう」と、口が酸っぱくなるほどいい始めた。はじめのうちは、みな他人事だったが、そのうち、ひとりがマレーシアで、ひとりがミャンマーで、ひとりがスリランカでビジネスを始めたところ、いまでは海外でビジネスを行うのが当たり前になった。

挑戦心は、確実に、伝染するのだ。2015年以降の超高齢化社会では、地域にリソースを集中投下し、高品質な商品・サービスを顧客に提供する会社と、世界で多数の人々が集うプラットフォームを形成する会社との相乗効果が始まる。グローバルに成長した会社は、良質なローカルビジネスを海外に紹介することに手を貸すことになろう。だから、どんなに小さな規模のビジネスに取り組んでいようが、必ず世界への貢献を見据えなければならない。地域が発展するかどうかは、高い視点で、未来へのビジョンを見て、行動に移せる人材がひとりいるかどうかで決まるといっても過言ではない。あなたの代で結果が出なくても、あなたの功績は、間違いなく次代へ継承されていく。

次に、7社の変革から学んでいただきたいのは、彼らのビジネスの底流にある「未来に向かう輝かしいストーリー」だ。
成功する会社には必ず、社員が信じる力強いストーリーがある。そして、そのストーリーを深く理解することは、あなたに自らのビジネスを成長させていくうえでの多大なヒントを、確実に与えてくれる。7社の実践のエネルギーを、あなた自身のものとするために効果的なのは、次の三つの問いに対する答えを探しながら、本書を読んでいただくことだ。

・彼らは、ビジネスを通して、誰をハッピーにしようと考えたのか?

・彼らは、ビジネスを通して、自らの才能をどのように表現しているのか?

・彼らは、過去を乗り越え未来に向かうために、どんな小さな一歩を踏み出したのか?

以上の三つの問いは、あなたが自らの未来に向かうために必要な、本質的な気づきをもたらすように設計されている。その証拠に、本を閉じたあとに、あなたのなかで、どんな変化が起こっているか、感じていただきたい。

「やっちゃっていいんですか?」という熱くなる想いが芽生え始めているはずだ。人々を幸せにするビジネスを通して、世界に革命を起こす環境が、完全に準備されているという稀有な時代に、私たちは生きている。あとは、最初の一歩を、踏み出すだけだ。
それでは、いよいよ、あなたを挑戦へと誘う、刺激的な7社を訪問することにしよう。

書籍『あなたの会社が最速で変わる7つの戦略』